お菓子の国のつぶ王子・第二章
たびの足はいつも“びっつ”号です。“びっつ”号はまほうのばしゃでもなんでもなく、“シガナイホンヤクシャ”が怪しいいんたーねっと直売業者からこうにゅうした、いわゆるところの“ぽんこつ”です。
見たことのない景色がまどのそとを流れていきます。
“シガナイホンヤクシャ”は、こんぱくとですくから発せられるけたたましい音楽に合わせて、声高らかにうたっています。本人的にはごまんえつでも、つぶ王子にしてみたら、そうぞうしくてかないません。
はっきりいってみみがくさりそうです。
“ダイリ”さんも、にがむしをかみつぶしたような顔で、そうざいパンをキレぎみにつまみまくっています。
つ
ぶ王子は、心の備忘録をぱらりとめくって書きとめました――ほかのひとのめいわくを省みずにうたっている。こういうのを“じこまんぞく”というんだな――
そして、“シガナイホンヤクシャ”のような大猫(おとねこ)にはなるまいと胸に誓いました。
“ダイリ”さんが、「このそうざいパン、ぐが少ないわ」と力なくつぶやきました。 つぶ王子はちょっぴりどうじょうしました。
やがて、おおきな橋が見えてきました。
そういえば、執事のケロさんがこんなことをいってたっけ……
「つぶ王子」
「なあに、ケロさん」
「この世には“猫の国”というものがあるんだ」
「“猫の国”? ここはちがうの?」
「こ
こはしがない“まんしょん”さ。“猫の国”には、大空を駆けるきゃっとうぉーくや、おひさまにもっとも近いきゃっとだくとや、肉球のもようがついたお昼寝はうすがあるそうだよ」
「素敵だね。その国はどこにあるの?」
「わたしもこの目で見たわけじゃないが、なんでも、ぐるりと大きな輪をえがく橋の向こうにあるらしい。猫族のだれもが夢見るでんせつの国さ」
でんせつの“猫の国”。
つぶ王子の視界にとびこ
んできた橋は、まさしく、ぐるりと大きな輪をえがいていました。
ひょっとして、この向こうに“猫の国”があるのかもしれない――
つぶ王子は、ふあんがきたいへと変わっていくのを感じました。
続く……
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