レクイエム・フォー・ドリーム
「レクイエム・フォー・ドリーム」を観ました。
いや、壮絶な映画ですね。近所のツタヤでは「SFサスペンス」的な扱いでカテゴリー分けされていて食指が動きそうで動かなかったのですが、メジャー級に期待を裏切られました。なにしろちっとも「SFサスペンス」ではなかったので。簡単に言えば、「ドラッグやると堕ちますよ」というテーマを極限まで追求したような、全編を通して陰鬱なムードが支配する救いもへったくれもない映画です。
しかし! これがいいですね。登場人物の堕ちっぷりが凄まじく、とりわけ、主人公の母親の墜落スピードには目を見張るものがあります。ヤブ医者に処方されたダイエットピルを大量に服用して本人が気づかないうちに麻薬漬けの生活に陥ってしまうのですが、幻覚症状が出てからの描写は役者の力量も手伝ってほんとうに凄まじい。
なかでも秀逸なのが冷蔵庫が動くシーンですね。もちろん幻覚を見ているのですが、ガタン! ガタン! と迫ってくる冷蔵庫の迫力はけた外れで有無を言わせません。しばらく夢に出てくること請け合いでしょう。
ヤク中たちが転落していくだけのストーリーなので深みはありませんが、刺激的な映像と
焦燥感を煽るメインテーマが素晴らしく、物語はゆったりとした前半から徐々に加速していき、彼らの怒涛の落ちっぷりが間断なくスクリーンに叩きつけられるラスト30分の勢いなどは完全にスピード違反で、これが映画ではなく一般道だったら即・免停を食らっているところです。
ドラッグの恐ろしさをテーマにしていながら、説教臭くならないところがまたいいですね。この監督はとにかく堕ちていく人々の姿を純粋に描き切りたかっただけで、ドラッグの危険性を啓蒙するつもりなど微塵もなかったのでしょうね。拍手喝采。これぞ映画。
評価:★★★★☆
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)







最近のコメント