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2008年2月

レクイエム・フォー・ドリーム

出し抜けシネマ論①~世界一怖い冷蔵庫Photo

「レクイエム・フォー・ドリーム」を観ました。

いや、壮絶な映画ですね。近所のツタヤでは「SFサスペンス」的な扱いでカテゴリー分けされていて食指が動きそうで動かなかったのですが、メジャー級に期待を裏切られました。なにしろちっとも「SFサスペンス」ではなかったので。簡単に言えば、「ドラッグやると堕ちますよ」というテーマを極限まで追求したような、全編を通して陰鬱なムードが支配する救いもへったくれもない映画です。

しかし! これがいいですね。登場人物の堕ちっぷりが凄まじく、とりわけ、主人公の母親の墜落スピードには目を見張るものがあります。ヤブ医者に処方されたダイエットピルを大量に服用して本人が気づかないうちに麻薬漬けの生活に陥ってしまうのですが、幻覚症状が出てからの描写は役者の力量も手伝ってほんとうに凄まじい。

なかでも秀逸なのが冷蔵庫が動くシーンですね。もちろん幻覚を見ているのですが、ガタン! ガタン! と迫ってくる冷蔵庫の迫力はけた外れで有無を言わせません。しばらく夢に出てくること請け合いでしょう。

ヤク中たちが転落していくだけのストーリーなので深みはありませんが、刺激的な映像と 03040008焦燥感を煽るメインテーマが素晴らしく、物語はゆったりとした前半から徐々に加速していき、彼らの怒涛の落ちっぷりが間断なくスクリーンに叩きつけられるラスト30分の勢いなどは完全にスピード違反で、これが映画ではなく一般道だったら即・免停を食らっているところです。

ドラッグの恐ろしさをテーマにしていながら、説教臭くならないところがまたいいですね。この監督はとにかく堕ちていく人々の姿を純粋に描き切りたかっただけで、ドラッグの危険性を啓蒙するつもりなど微塵もなかったのでしょうね。拍手喝采。これぞ映画。

評価:★★★★☆

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パッション

パッションですね、パッション。

2008_02_24_012   もともと好きで始めた翻訳の仕事ですが、仕事とは生業であって究極的には生きていくため、食っていくために余儀なくされるものでして、たとえその当初のモチベーションが混じり気のない純度100パーセントの翻訳的興味にあったとしても、一年、二年と続けていればさまざまな不純物が混じっていくのは蓋し避けられないことでして、実際のところ、趣味が昂じて店を始めたんだけどさ~、やたら忙しくなっちゃって趣味がおろそかになってさ~、今じゃただの金稼ぎの手段にしか思えないよ~、なんていう話は飲み屋でよく耳にします。そうした状況を“壁”と呼ぶなら、私もある種の“壁”にぶち当たっていました。

つまり、翻訳ってつらいな~とか、ああ、もっと寝たいとか、そうした邪念が脳ミソを蝕みつつあったような気がします。もっとも、好きで始めた仕事がずっと好きでいられる人というのは稀なので、社会においては、程度の差こそあれ、こうした葛藤は必定なのかもしれませんが。

前置きが長くなりましたが、要するに、パッションなんですね。ベストセラーを何冊も訳されている翻訳家の方から「パッションが大切」という話をうかがい、ああ、そうか! と。

パッションなんですね、パッション。これがヒューマンのガソリンなんですね。

また、文章を書くのが楽しくなってきました。

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グリーティング・セイブ・ザ・ワールド①

グリーティング・セイブ・ザ・ワールド

 あいさつ! あいさつ!

 グリーティング・セイブ・ザ・ワールド!

 頭をぶつけても! おはよう!

 足をひねっても! おはよう!

 生爪がはがれても! おはよう!

 横入りされても! ノープロブレム!

 満員電車で足を踏まれても! にっこり! にっこり!

 あたたか~いを押して冷たいコーヒーが出てきても! おいしいね! おいしいね!

 カップめんのお湯が半分入れたところでなくなっても! メンかた! メンかた!

 犬に吠えられても! ちわっす! ちわっす!

 携帯をトイレに落としても! スマイル! スマイル!

 グリーティング・セイブ・ザ・ワールド!

 おはよう! おはよう!

 おはよう! おはよう!

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迷訳へのいざない

前回は“トランスレーション”に触れることで表題的体面を保ちましたが、今回は“音楽”に触れることで副題的体面を保ってみたいと思います。

テーマはわが心の師、Photoニールヤング氏。

ヤング氏は、カナダはトロント市出身のシンガーソングライターで、60年代のデビュー当時からミレニアムを経て現在まで変わらぬ影響力を持ち続けている稀有なミュージシャンです。夭折して伝説と化す同世代のロックアーティストが多い中で、ヤング氏は、時代と協調し、時代に挑み、時代を先取りすることで世代を超えて新しいファンを獲得してきたモンスター級の存在で……

……などと語っていると、単なる音楽好きのコラムになってしまうので割愛させていただき、“トランスレーション猫”では、ヤング氏の代表曲を独自の解釈で翻訳してみましょう。お題は“川のほとりで”。

川のほとりで(やさぐれバージョン)

  お前がかばってくれんなら 俺もかばってやるさ

  だから隠れてないで出てこいよ ベイビー

  独りでいてもつまんねーし

  どうせなら 荷ケツでひとっ走りしてくれっての

  あの娘なら レインボーブリッジまでぶっ飛ばして

  俺を 厄介払いできたはずなのによう

  川のほとりで

  撃っちまった

  あの娘を撃っちまったのさ

  死んだよ マジで やばいっての

いかかでしょうか。もともと歌詞なんてものはすこぶる主観的で私的なものなので、正しい解釈なんてものは存在しないというか、ファンの数だけ解釈も生まれると思いますし、そうした多彩な解釈を許容するだけの幅がある歌詞が、いわゆる“深い”のであります。そういう意味では、ヤング氏の歌詞はどれもぶっきらぼうでありながらヒジョーに深いですね。

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トランスレーションについて

タイトルが“トランスレーション猫”でありながら、過去数回はアシスタント“猫”についてしか触れておらず、“トランスレーション”についてはねぐっていた感がありますので、今回は“トランスレーション”のことを僭越ながら語ってみたいと思います。

“トランスレーション”は難しいです。おしまい。

と、本当はこれで堅苦しいお話はさっさと切り上げて拙宅のキュートなネコーズの近況報告に移りたいところですが、それではあんまりですので、もう少しだけ続けましょう。

“トランスレーション”は肩が凝ります。目が疲れます。頭がウニになります。太ります。運動不足になります。独り言が多くなります。ヤフーばっかり見ちゃいます……

……と、切りがないのでもうやめますが、基本的には翻訳というジミーな作業が好きじゃないとやってられないよ、アンタ、こんな暮らしは続けられませんので実家に帰らせていただきます系の仕事だと思います。なにしろ一日の半分以上は(締め切りまえは朝まで)机に向かい、物言わぬパソコンとひたすらにらめっこしているのですから、多少、頭のネジが緩んでいないと“トランスレーション”を続けることは難しいでしょう。とくに、翻訳一本で食っていく人というのは自分も含めて職人気質というか、辞書を見るとなぜか興奮するとか、少なからず変態チックな部分があると思いますし、逆にそうでないと精神的に持ちこたえられないのではないでしょうか。

でも、好きな人にはやめられない止まらないカッパえびせん(あ、私は海老アレルギーなので食べられません)のような、噛めば噛むほど味の出るスルメ(あ、烏賊アレルギーでもあります)のような、深く潜れば潜るほど足が長くなるカニ(えっと、蟹はアレルギーではなく、単純に味が嫌いなので食べません)のような仕事――それが“トランスレーション”なのである、と結んでおきましょう。

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アシスタント紹介②

それでは拙宅のアシスタント二号を紹介しましょう。

  • Img_0024_5名前:パピコ
  • 性別:メス(避妊手 術済み)
  • 血統:スノーホワイト=ハ(人によってはただの白猫です。おでこに「ハ」の字の模様が入っているのがチャームポイント!)
  • 誕生日:2007年7月頃
  • 故郷:公園(元・ホームレスです)
  • 得意技:お腹を見せて転がりまくる、猿のモノマネ
  • 趣味:ゴハン(食い意地が張ってます)
  • 気になっていること:手術で剃られたお腹の毛って、いつ生えてくるのかしら?
  • 好きな俳優:志村喬
  • 好きな映画:エクソシスト2
  • 嫌いな映画:子猫物語(ホームレスの厳しさがわかっていないから)
  • 座右の銘:にゃんとかにゃるわ、にゃんとか
  • 役職:アシスタント二号
  • 給与:食べられるものならなんでも

パピコ嬢はうちで働くようになってからまだ2ヵ月程度の新人さんで、先輩のケロ君の言うことを聞き、背中を見ながら、社会のなんたるかを学んでいる最中です。ケロ先輩は手足がすらりと長く、どんな高い場所へも軽快にジャンプして飛び乗ってしまいますが、パピコ嬢はいささか短足なせいか、ジャンプできるのは自分の身長と同じ高さまで。それも、お世辞にも“跳躍”とは呼べないような泥臭いスタイルで、険しい高峰に挑むがごとく歯を食いしばって“よじ登り”ます。おまけに、ころころ滑って落ちるので、将来、にゃんにゃんオリンピックに出場することは冷蔵庫の上に飛び乗るよりも難しいでしょう。

なにはともあれ、よろしくお願いしますニャン。

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アシスタント紹介①

本日はわが家のアシスタント猫一号を紹介したいと思います。

  • Pict0138_2名前:ケロ号(本名はマイケロですが、飼い主の都合で名前がぎゅっと縮められちゃいました。本人は気づいていません、たぶん)
  • 性別:オス(あれを取っちゃってるのでオカマちゃんです。本人は気づいていません、たぶん)
  • 血統:ゴールデンストライプ(ただの茶トラという噂もあります)
  • 誕生日:2006年6月頃(推定)
  • 生誕地:相模原市相模大野の中華料理屋の駐車場のゴミ捨て場のそば
  • 得意技:ダッシュ&ターン、ふかふかの布団でおねしょ、カラスを見て「カカカカ」と言う、ソフトタッチ、ヨイヨイ落とし
  • 役職:アシスタント(ほとんど寝てます)
  • 時給:グリーンフィッシュ(高級猫缶です)

以上が簡略ではありますが、アシスタント猫一号のケロ君のレジュメです。よろしくお願いします。

雇われアシスタントのくせに寝てばかりいます。たまに起きてもトイレです。用を済ませるとまた寝ます。汗水垂らして月給を稼いでいるサラリー人(サラリーびと)に妬まれること請け合いのすちゃらか社員ぶりは、かりあげ君といい勝負でしょう。それでもクビを切られないのは、彼の人柄、いや、猫柄のなせるわざでしょうか。みなさん、猫柄のネクタイを締めましょう。

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猫になりたい

いや、猫ってかわいいですね。以前にも飼っていたことはありますが、その猫はどうも放浪癖があって、最初は完全室内猫だったのですが、猫なりに世間という荒波に揉まれたくなったのか、徐々に家を空けるようになって、しまいにはご飯だけを食べにきて食事が終わるといずこへともなく消えていくというライフスタイルを確立したので、それほど真剣に接するというか、愛情を注ぐことはなかったように思われます。

私はしがない翻訳家ですが、といっても、文芸作品や、某氏が独占しているのではと勘ぐりたくもなる字幕翻訳を手がけているわけではなく、どちらかと言えば翻訳界のニッチ産業的な分野を主戦場としているので、“翻訳者”あるいは“翻訳する人”とでも呼んでください。

そんなしがない“翻訳する人”の私ですが、いっちょまえにフリーランスであって、いっちょまえに自宅をオフィス代わりに使って仕事をしているわけでして、それはつまり孤独な作業でありまして、そんな孤独感にふと襲われたときに、この猫という動物、いやアシスタントは尋常ならざる癒し効果をもたらしてくれるのです。

そういうわけで、そこはかとない孤独を感じながら自宅で仕事をされている方々は、猫をアシスタントとして雇い入れることを強くお勧めいたします。はい。

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