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2009年9月

合流にて、心の独り歩き・前編

_9261420「うっそ~ん、信じらんな~い」ことが起きた。

前にも言ったが、私の住まうマンションは246という県内でも有数の交通量を誇る幹線道路沿いに建っており、街に出るには建物脇の狭い道を通って246に合流する必要がある。

この合流ポイントの左右には246に沿って用途不明の木の柵が設えてあり、極めて見通しが悪い。車列が途切れることは滅多になく、どの車も親の仇みたいな猛スピードでかっ飛ばしてくるので合流は命がけである。

区の土木課に働きかけてカーブミラーを設置してもらお_9281565う、という意見がマンションの理事会でも持ち上がるほどの危険ゾーンなのだ。

事件はその合流ポイントで起きた。

私が左にウィンカーをパカパカさせつつ、いつ途切れるとも知れない車列が途切れるのをThe Whoという英国の暴力的ロックバンドの“Behind blue eyes”という曲を静かにかつ激しく歌いながらじりじり待っていると、246上をウィンカーを左にパカパカさせて走ってくる車があった。

それはつまり、こ_9261435の車は246からマンション沿いの横道、すなわち私のいる方へ曲がりたがっている、ということである。

私は、へへ、しめた、と思った。

なぜなら、こういうとき、246に合流したい私と、横道に曲がりたい貴方との間では思惑が一致し、暗黙の了解が成立するからである。

なにせ、車2台が辛うじてすれ違えるような横道だ。

246上の車にしてみたら、横道に曲がりたい。死ぬほど曲がりたいが、現況では私の車が邪魔になって首尾よく曲がれないのは火を見るよりも明らかである。そこ_9261455で、スピードを緩めるか一時停止して私の車を先に行かせようとする。

そうなれば私としても、その車がバリケードのような役割を果たし、246の激しい車の流れを一時的に堰き止めてくれるので、合流が容易になってとても助かる。

かくして、私はすんなりと246に合流でき、貴方もすんなりと横道に入ることができましたとさ。めでたし、めでたし。

が、私の読みが甘かった。

続く……

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我が家の現況報告 with 動画

突然ですが、簡単に我が家の現況報告。

ニンゲン人口……2人(私+嫁)

猫~ず人口……8(+1)人

1.けろ(茶とら、雄、3歳、常住)

2.パピコ(白、雌、2歳、常住)

3.フジコ(キジトラ、雌、4か月、里親さん決定!)

4.ルパン(キジトラ、雄、4か月、里親さん決定!)

5.ジゲン(黒、雄、4か月、里親さん募集中)

6.ゴエモン(黒、雄、4か月、里親さん募集中)

7.シナモン(茶とら、雄?、3か月?、家猫修行中)

8.ナツメグ(キジトラ、雄?、3か月?、家猫修行中)

9.マオ(サビ、雌、推定5歳、定員オーバーのため友人宅に居候中)

気がつけば大家族だなあ。うわあ。

猫~ずとの楽しく癒される暮らしを始めたいという奇特な方は、こちらのブログをご覧ください。

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サービスの崩壊、手首くるるん

_9261454サービスとはなんぞや。

それは詰まるところ、顧客にできるだけ喜んでもらいたいとする商売人としての気遣いの現れだと思う。「気遣いの足りない店」すなわち「サービスの悪い店」と言ってもよい。

つまり、サービスとはあくまで無私の行為なのである。

が、ごくたまに、こうしたサービスの本質を弁えずに、あろうことか、自己表現の場と考える不届き者が存在する。

例えば近所のコンビニの店員、A君。_9261423

A君は客が差し出した金銭を、なぜか手首をくるるんと鮮やかに翻してから受け取るのである。

私はこれが許せない。頭がうききーってなる。

だってそうでしょう。

普通にさっと受け取ればいいのに、これみよがしに手首をくるるんと鮮やかに翻すってことは、A君が意識的に手首をくるるんとさせていることに他ならず、意識してやっているってことはつまり、そうした仕草が格好い_9261411い、粋だと思っているからこそ実践しているわけで、すなわち、サービスの本分に真っ向から反発する自己表現を行っているのだ。

究極のサービスとは。

さーてそろそろお暇すっかなというタイミングで店員が勘定書きをテーブルに持ってくる。どしゃ降りの夜、小料理屋に入ったら、女将さんが無言でタオルを差し出してくる。行きつけのホテルにチェックインし、部屋に入ったら、自分のお気に入りの枕がさりげなくベッドに置いてある。

こういうことを客としてやられると、_9261452_2私は参ったなあ、粋だなあと思う。

さりげなさ。

それこそがサービスの要であろう。

しかるにこのA君はどうですか。

さりげなさを軽んじ、故意に手首のスナップを利かせてくるるんとやることでサービスを行う自分を映画的に演出している。つまり、客を差し置いて自らが主役になろうとしているのだ。

サービスは無私の行為。あくまで主役は客でなければならない。許せん、_9251360 言語同断だ。店長に言いつけてやる。

今日もそうやってレジで憤っていたら、A君が恐るべき暴挙に及んだ。

いつもの手首くるるんに加えて、この日は受け取った金銭をレジに入れるときも手首くるるん、レジから釣銭を出すときも手首くるるん、札の枚数を数えるときなどは一枚数えるごとに手首をくるるん、そして釣銭を私に渡す段になってひときわ鮮やかかつ大仰に手首をくるるん、くるるんと翻らせ、自信に満ち溢れた顔で、

「ありがとうございました、またお越しください」_9261419

と、けれんみたっぷりに180度近い会釈をしつつ言い放ったのだ。

私は手首くるるんの波状攻撃に完全にノックアウトされ、行き場のない怒りを抱えたまま店外に出ると、「うぉー」と言葉にならない叫びを発した。

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デンタル・ジャスト・ライカ・ヘル

デンタル・ジャスト・ライカ・ヘル

剥き出しの心_9211238_2

剥き出しの神経

俺の笑顔はソールドアウト

一塁飛び出しタッチアウト

笑えない

笑えないよ

気休めマイハンズ

「痛かったら手を挙げてくださいね」

いくら手を挙げても_9221281

ゼイドンケア

詐欺師どもめ!

それで痛みは止まるのか?

治療は終わるのか?

景気は持ち直すのか?

全身汗まみれ

まるで拷問_9201193

穿られの阿鼻叫喚

デンタル・ジャスト・ライカ・ヘル

地獄へようこそ

次回は水曜日にご来院ください

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「訳しちゃいます雄」の目指すところ

_9191168個人情報の取り扱いに慎重を要する世の中になった。

というのも、今は断片的な情報から、インターネットなどを介してその人の素性が芋づる式にあっという間に分かってしまい、隠しておきたいプライバシーが露見してしまう恐れがあるからである。

だが、個人情報はちょっとした方策で完璧に保護することができる。_9191162

それは「偽名」を使うことだ。又は「ペンネーム」「エイリアス」。

初めっから偽の名前で生活していれば、本来の素性がばれるという事態など起こり得ないという理屈である。鉄板の理論と言えよう。

だから皆さんも今日から偽名で生活を始めましょう。

その際、TPOに応じて_9191181いくつかの偽 名を使い分けるとよいだろう。

しがない翻訳者である私なんかも、仕事上の偽名、もう一歩踏み込んで仕事上の人格を創り出すべきだと思うが、さて、どういった偽名がよいだろうか。

やはり、翻訳者であることがそこはかとなく感じ取れる偽名がいい。例えば「翻訳太郎」なんかだが、これではあまりにベタすぎて品がなく、ちょっと気恥ずかしい。

そこで考慮したいのがイチロー方式である。_9201189

知ってのとおり、日本が誇る世界のスーパースター、イチローは、その本名を「鈴木一郎」という。まるで役所の届書の見本に書いてあるような凡慮な名前であり、ずば抜けた野球の才能を持つ若者を売り出すうえで、少しインパクトに欠けるのは否めない。

そこで、故仰木彬監督は下の名前のみをカタカナ化するという単純ながら効果的な方法を着想し、登録名を「イチロー」に変えさせたの_9191158だ。

この作戦は大当たりだった。若き「イチロー」は飛ぶ鳥を落とす勢いでスーパースターへの階段を駆け上がると、やがて日本を飛び出して世界を制するに至ったのである。

この伝でいくと、翻訳者である私の場合は「ヤクロー」だろうか。

これだとなんかヤク中みたいで、仕事がぱったり途絶えそうである。それは困る。扶養すべき猫たちもいるし。_9181112

それでは駄目だ。相手が耳にしたときに、「こいつはできるな」と思わせるような偽名でなければならない。

「超絶翻訳師とら猫」? 「訳しちゃいます雄」? 「トランスレーション・Z」?

翻訳界の「イチロー」への道のりは遠く険しい。

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デンタル・ノー・マーシー

デンタル・ノー・マーシー_7259752

俺はドリル

穿ってやる

腐ったエナメル質を

削いでやる

虚勢の薄皮を

俺の前では

曙でさえ幕下ドン尻の力士となり果てる 

デンタル・ノー・マーシー013 

泣いても無駄さ

その声は

非情な金属音に掻き消される

覚悟を決めろ

象牙質のクーデターは止まらない

さあ

椅子を倒すぜ

治療開始だ

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ビールに欠かせない「くはーっ」感

_9161070最近、ビアテイスト飲料が売れているらしい。

さもありなん。

私のビアテイスト飲料初体験は先月の帰省時のことである。

そのとき、久しぶりに会う伯父さんに酒を勧められたのだが、電車で帰ってこいと釘を刺されるほど車で帰りたくなるという悪癖のある私は、その日もやっぱり車だったので、今日は酒はムリだわとぴしゃりと断った。

が、伯父さんはびくとも動じず、微笑すら浮かべている。何も知らんな若造_9161083 とでも言いたげに。

私がいぶかっていると、伯父さんが笑顔の秘密を明かした。

「今度キリンからノンアルコールビールが出たのだよ」

伯父さんは今はもう隠居の身だが、昔はキリンの営業マンとして日本各地を飛びまわっていた人であり、ビール業界の動きには今でも詳しい。ちなみに、伯父さんが同席する宴で出されるビールはいつもキリンだ。アサヒやエビスは機嫌を損ねるので控えましょう。

_9161087ノンアルコールビール。

以前にも似たような製品はあったが、まずくて飲めたものではなかった。

しかし、元キリン一流営業マンである伯父さんが自信たっぷりに勧めるものだから、まあ、ここはその顔を立てて、騙された気分で飲んでみるかと思い、擦り切れたサンダルをつっかけて近くのコンビニで件のビールを購入、さっそく飲んでみたところ、

これがイケた。

思うに、ビールの旨さは「くはーっ」感に凝縮されている_9161096

ひと口めののどごしの良さ。清涼感。夏の暑い日や風呂上がりにその琥珀色の液体を喉から一気に流し込むときの「くはーっ」感には、何物にも代えがたい喜びがある。

従来のノンアルコール飲料はこの「くはーっ」感がこれっぽっちも再現されていないケミカルな味がしたが、キリンのフリーは違った。

_7259755本物のビールの「くはーっ」感にかなり近い「くはーっ」感、いわば「くはっ」感を味わわせてくれる。

そういうわけで私は「くはっ」「くはっ」と連呼しながらキリンのフリーを5本ほど立て続けに飲みほした。

隣では伯父さんが仏のように優しく笑っていた。

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銀河鉄道ファンのぼやき

私は『銀河鉄道999』の熱烈なファンである。

Photo_4子供のころ、スリーナインの時刻表を部屋の壁に貼って、「次の停車駅は惑星×××、停車時間は23分30秒~」などと言いながら、空想の銀河旅行を飽かず楽しんだものである。

で、『銀河鉄道999』の第1作アニメ公開後30周年を記念して、大井川鉄道で蒸気機関車にスリーナイン号を牽引させて走らせるというファン垂涎のイベントが開かれたわけだが、

車掌さんは大目に見るとして、このメーテルはないだろ……。

少年時代の夢が崩壊してゆく……うう。

H2193_018

こっちは久しぶりの最強ブラザーズ。

でかくなったな……。

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お菓子の国のつぶ王子・第六章

_8280546、向こうからぼうずあたまのだんせいが近づいてきました。

肩にらじかせを抱えながら、りずむにあわせて体をさゆうに揺さぶっています。ただものではありません。

「Yo、ねこちゃん、Yo」

「わらわの夫にして“猫の国”の王、ぶらざーきのこじゃ」

オカシーナ女王がさめきった声でしょうかいしました。

「いぇーざっつらいと。hehe、Yo-yo、アッ、アッ」ぶらざーきのこ(きのこ王)がそうるを込めてノリノリでいいました。

「ぶらざーきのこ(きのこ王)はがいこく暮らしが長くてのう……ハァ、なん_8280565ばんのことばしかしゃべれんのじゃ。案ずるな、わらわがちゃんとつうやくするぞえ。オホホホホ」

「へい、つぶ。はわーゆ?」

「よう、つぶ。チョーシどう? と言っておる」

「ゆーあさっちあぐれーときゃっと」

「おまえってちょーイカすぜ、と言っておる」

_8290706「あいろーとあそんぐふぉゆー。なうりすん」

ぶらざーきのこ(きのこ王)はらじかせのぼりゅーむをぜんかいにすると、りずみかるに歌いはじめました。

「♪チョットツブチャンナニシテル、yo、♪オレハアンタヲアイシテル、yo-yo」

オカシーナ女王は思わず顔をふせました。

「♪オレハツブチャンウェルカム、yo-yo、♪オマエノシッポハツイン_8290693カム、ah-ah、♪ココハイイトコネコノクニ、yo、アッ、アッ、♪ファ×××ンネコチャン、ワン、ツー、スリー、イェー、イェー♪、マザファカ」

“シガナイホンヤクシャ”と“ダイリ”さんもぽかんと口をあけて立ちつくしています。

ひととおり歌いおえると、ぶらざーきのこがつぶ王子に向かっていいました。

「yo、つぶ、yo。なすてぃ。ゆーあそーなすてぃ。あんちゃ? あんちゃ? _7049486 ふぁにー、ふぁ×××きんふぁにー、いずんに? いずんに? hehehe、yo、つぶ、yo-yo♪、アッ、アッ、♪ネコチャンyo-yo」

はじめて耳にするなんばんのことばに、つぶ王子のまるい目がいつもいじょうにまんまるくなっています。

“こくさいかのなみ”。

つぶ王子は心のメモ帳にそっとかきこみました。

続く……

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お菓子の国のつぶ王子・第五章

_7049508あざやかなグリーンのとびらの向こうには信じがたいこうけいがひろがっていました。

大空を駆けるきゃっとうぉーく。

おひさまにもっとも近いきゃっとだくと。

肉球のもようがついたお昼寝はうす。

それはまさに、執事のけろさんが話してくれた“猫の国”でした。_7049516

夢にまで見た“猫の国”が、猫爪を伸ばせばとどくところにあるのです。

つぶ王子はむねから喜びがあふれだしそうでした。

「おあがりになられよ、オホホ」

そのことばに、さっきまでげびたたいどに終始していた“シガナイホンヤクシャ”と“ダイリ”さんは靴をぽーんとぬぎ_8300708すて、わがものがおでずんずん奥へと進んでいきます。いなかの実家にでも帰ったつもりなのでしょうか。

オカシーナ女王がちっと舌打ちをしながら言いました。

「“ダイリ”どの。なんなりとお納めになられよ。オホ」

“ダイリ”さんの顔がぱっと明るくなりました。そのしせんのさきにはごうかけんらんな宝箱がちんざしています。“ダイリ”さんはばくはつすんぜんの笑顔で宝箱に歩みよると、ぱんぱかぱーんと自分で言いながらふたを_8290662開けました。

なかにはなんと、あふれんばかりのそうざいパンが。

「!!! こーんにつな、ぴざもあるわ。べーこんも。ぴざ、こーん、つな、ぴざ、こーん、こーん、こーん、こーん、つな、こーん、こーん……ざっとみて3しゅうかんぶん」

「まだあるぞえ、オホホ」

オカシーナ女王がてもとの紐をひきました。

_8280586するとどうでしょう。

天井がぱかっと開いて、そうざいパンがぼとぼとと落っこちてくるではありませんか。

そうざいパンのしゅうちゅう豪雨――

“ダイリ”さんはかんるいにむせびつつぽけっとからでんたくをとりだすと、そうざいパンが何日くらい持つのかオカシーナ女王に見えないようにちゃっかり計算したのち、“しP8280624てやったり”という顔でいやらしく笑ったあげく、小さくがっつぽーずをきめました。

“シガナイホンヤクシャ”はおれにはなにもないのかよと言いたげにくちをとんがらせています。

つぶ王子はちょっぴり哀れにおもいました。

続く……

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