ジ・エンド
心を紡ぐうた③
And in the end
the love you take
is equal to the love you made
結局のところ
愛されるためには
それだけ愛さないとだめなんだよ
彼らについては雑誌や評論をはじめとして、学問のひとつとして多角的に研究した書物すら多数刊行されているので、いまさら何を語ってもすべて蛇足になってしまう感がある。なにしろ教科書にも載っているのだから。
ビートルズの音楽にジャンルの垣根は存在しない。がゆえ、ビートルズをロックという枠だけで語ろうとするのは愚かですらあるし、そもそも語り尽くせない。かといってフォークという枠だけでも捉えきれないし、ブルースっぽい曲もあるが純粋なブルースとはどこか趣が異なる。
そんな多彩で複雑な音楽的側面を持つビートルズだが、こと歌詞に関しては、拍子ぬけするほどシンプルだ。
とりわけ、赤盤時代の歌詞にはあの娘がどうしたとかこうしたとかいう、どこかの高校生がノートに落書きでもしてそうな初期衝動に満ちた詩が多く、圧倒的才能を感じさせるメロディやアレンジに比べるとやや見劣りがしてしまう。
もっとも、そう
した傾向はアルバムごとに改善されていき、とりわけ、ボブ・ディランに陶酔するようになったジョンの歌詞には鬱いだ心の内 側をえぐるようなものや、アバンギャルドな内容のものが増えていく。ジョージはインドへの想いを消え入るような繊細な声で歌い、ポールは曲を介して悲喜こもごものストーリーを紡いでみせる。リンゴは、どこまでいってもオクトパス・ガーデンだ。
冒頭のように歌われる“ジ・エンド”はそのタイトルどおり、ビートルズのラストアルバム『アビイ・ロード』の有終を飾るハードながらも美しい曲だ。
シンプルだが奥深い。簡単そうに見えて複雑。この詩からも、そんなビートルズの音楽哲学を感じ取ることができる。
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