猫ランドへの道

猫ランドへの道、第五章

Img_3265「猫ランド」の前に大きな壁が立ちはだかった。

そう、マネーである。

お前それ、考える順番が逆やろ、金のことから先に考えんかね、フツー、なんて突っ込みが飛んできそうだが、私の人生、終始こんな調子なので。

いや、マネーについて考えていないわけではなかった。

つまり、「猫ランド」にふさわしい物件と運命的に出会ったその暁には、我がImg_2862 家にとって唯一かつ最大の資産であるマンションを売っ払っちまえばよくなくなくなくなくね? とヤング風に漠然と考えていたのだが、

そう簡単に売れるわけがないのである。

マンション購入者のご多分に漏れず、我が家も住宅ローンを組んでせっせと月賦を銀行さんにお納めしている。で、住宅ローンが組めたってことは、銀行さんは当マンションに抵当権を打っているのだ。

Img_3129つまり、このマンションはウン千万円を借りるための質草であって、自分のものでありながら、同時に、銀行さんのものでもある。私がしがない翻訳業に行き詰まり、嫁がレイオフでも食らってローンの支払いが滞るようなことがあれば、銀行さんはすぐさま我が家を借金のカタに差し押さえて、帳尻を合わせようとするだろう。鬼め。

いくら私が「猫ランド」という崇高なるビジョンの実現のため、マンションを売りたいと銀行に土下座して頼み込んでも、行員に死んだ魚のような眼で睨まれ、水をぶっかけれらたあげく塩を撒かれるのがオチだ。Img_3268_2

このことを我ら二人とも見落としていた。蓋し、アホである。節穴どころか、我らの眼には土星のリングみたいな大穴が開いている。

夫婦そろって力石徹のようにまっ白になったが、ものは考えようだ。最初から抵当権という壁に気づいてたら、そもそも、「猫ランド」なんていう途方もないアイデアは浮かんでこなかったかもしれぬ。

それに、これは我らにとってもっとも都合のよい夢のような最短ルートが断たれただけの話で、これでようやく、人並みのスタート地点に立てたのではないか。

だいたい、我が家の資産価値って幾らくらいなんだ?

マンションが予想外の高値で売れるなら、ローンも返済できて抵当権も消滅する。余った金を「猫ランド」資金に充てることも可能だ。

いずれにしても、知っておいて損はない。

そこで、インターネットでマンションの無料査定を頼んでみた。

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猫ランドへの道、第四章

Img_3134それにしても、KandCさん作の「猫の暮らしを考えた家」には衝撃を受けた。

「猫~ずを連れて田舎に引っ越す」という漠然としたアイデアが、一気にビジュアル化されて目の前に現れたような気がした。

ちょうど嫁と、安い古民家を購入してリフォームを施すのもいいかもね、なんて話をしていた時だったので、余計にタイムリーでインパクトがあった。

蓋し、「猫ハウス」のひとつの到達点と言えよう。

リビングにぐるりと「キャットウォーク」を設えるのは必須。これがなければ「猫ハウス」は始まらないし、「猫ランド」の看板に偽りありと陰口を叩かれてしまう。「キャットウォーク」のない「猫ハウス」は考えられない。シャリだけの寿司のようなものでなんとも味気ない。Img_3108_3

「サンルーム」も欠かせない。以前暮らしていたアパートメントは毎朝15分しか日が差さなかった。だから、その15分を狙って、我が家のとら猫氏がわずかな日光を貪るように浴びていたものだ。

窓から差し込む光がフローリングの床に照りかえって三角形の「サンゾーン」を形成し、その「サンゾーン」内に体が収まるよう、小さくなって懸命におひさまを浴びているとImg_3107ら猫氏の姿が哀れみを誘うほどだった。

だから、やっぱり、「サンルーム」は外せない。

あとは個人的に、「びっくりミラールーム」みたいのを拵えたい。

どういう部屋かというと、サイズは三畳くらいで壁面に小窓を拵え、そこに拡大鏡をはめ込む。で、部屋の中にいる猫たちを小窓からのぞくと、あら、びっくり、彼らがジャンボキャット化して見えるのだ。何も知らない客がのぞいたら腰を抜かすだろう、イヒヒ。Img_2870

「ガリバートンネル」の逆バージョンと言おうか。

あとはインターフォンの音も「にゃんご~ん」にしたいな、ベタですけど。

そういうわけで、夢膨らむ「猫ランド」計画。

春よ来い、早く来い。

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猫ランドへの道、第三章

Img_3110久しぶりの「猫ランドへの道」ですが、決して計画が頓挫したわけではありません。

というか、なんと、「猫ランド」への引っ越し日が正式に決定したので、ご報告しておきます!

 ・猫ランドへの移住予定日:2011年11月16日

11月16日というのは私たち先走りすっとび夫婦の結婚記念日です。今から約2年半後ですね。いや~楽しみです。わくわく。予定地は互いの実家の中間地点にあたる伊豆半島。

ちなみに、第2章の最後で「猫ラImg_3109ンドへ猫を棄てにくるであろうバカ者どもをどうやって取り締まるか」について、次章で明らかにすると書きましたが、それについてはもう結論が出ました。

結局のところ、猫好きも猫嫌いも、「無責任にペットを捨てる輩が一番悪い、やつらが咎めを負うべき」という点では一致することが多いんですね。なので、この点に主眼を置いて考えるのが、ベストの解決策を導き出す近道と言えます。

で、その観点から私がモデルケースとしたいのは、熊本市。

前にも紹介しましたが、熊本市は「犬猫殺処分ゼロ」をスローガンに掲げて、愚かな飼い主が愛護センターにペットを預けにきた(=棄てにきた)ところをとっつかまえて説教を食らわし、翻意を促すという、実に理にかなった活動を展開していImg_3126るロックスピリッツ溢れる自治体です。

ですので、「猫ランド」でもこの考えを採用したいと思います。

つまり、あえて特に何もしない。敵が棄てにくるのを待つのみ。ただし、棄て逃げされる恐れがあるので、落とし穴をいくつか掘っておきましょう。

落とし穴の中にはテレビモニターを設置し、敵が落とし穴に落ちたら、自動的に『犬と猫と人間と』のビデオが流れるようにセットして強制視聴させ、それが終わったら、ジェイソンの格好でとっくり説教を食らわします。

ペットを棄てるのはれっきとした犯罪(50万円以下の罰金)ですから、警察にも突き出せます。現行犯逮捕ですねImg_3116

でもきっと、“「猫ランド」のやり方は行き過ぎている!” “衝撃! 「猫ランド」は落とし穴に人間を誘い込むアリジゴクだ!”なんてどっかの掲示板で叩かれるんだろうなあ。

とりあえず、親類縁者友人近隣の皆々さまには、落とし穴の位置を周知徹底しておかないと。

春になったら物件の下見を開始します。

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猫ランドへの道、第二章

Img_2411猫ランド。

端的に言えば、猫たちを連れて田舎でのんびり暮らしましょう、という計画。

だからべつにアミューズメントパーク的なものではなく、ちっとも「ランド」ではないのだが、「トムとジェリー」で激しく描かれるように、猫と鼠は仇敵、永遠のライバルである。

にもかかわらず、現在、この国に存在するのは「鼠」のランドだけ。それじゃImg_2381あ不公平だあんまりだ猫の権利はどこへいった、ということで、敢えて「猫ランド」と銘打っている。

それに自宅の住所がたとえば「新潟県十日町市猫ランド22-5656(にゃんにゃん、ゴロゴロ)番」となっていたら、ちょっと楽しいし。

配達業者の方々や郵便屋さんも宛名を見て、え、猫ランドですか、と怪訝な顔をするだろうしね。私はそれを二階の物見台から眺めてニヤニヤする、いや、ニヤニヤしたい。

Img_2388そんな「猫ランド」建設にあたってもっとも危惧されるのが、捨て猫の問題であろう。

野良猫への餌やり、地域猫活動、避妊・去勢の問題には賛否両論あるが、そもそも、そうした議論が起こるのは、「飽きたから」「引っ越し先がペット禁止のアパートだから」「勝手に増えて飼えなくなったから」といったなめくさった理由で命ある動物たちを気安く捨てる、あるいは保健所に引き取らせる無責任な飼い主が多数存在するからである。

彼らが諸悪の根源であり、咎めを負うべきなのは明らかなのだが、結局、Img_2395この罪人ども(ペットを捨てるのはれっきとした犯罪です)は闇夜に紛れて巧妙に、人目につかぬようペットを放棄するため、捕まえることがきわめて難しい。

現状では、腹立たしいことだが、捨てたもん勝ちの状況になっている。

そんな状況下で「猫ランド」を建設するとどうなるか。

「猫ランド、猫の国か。ならば我が家で飼うのに飽きたこの老猫も快く引き取ってくれるであろう、いや、そうにきまっている、こんなにかわいいんだから」と「猫ランド」のコンセプトを都合よく解釈する悪人が続出、我が家、つまり、「猫ランド」の玄関前に捨て猫があふれるという事態が想定される。

そこで対策を練ってみた。

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猫ランドへの道、第一章

Img_2022と、取りとめのない序章になってしまったが、

猫ランド。ようするに、

都会になんら未練はないので猫といっしょに田舎で暮らたいな~、

ということである。

都会にいると、この国にはもはや土地なんぞ残っていないのではと思いがちだが、それはあくまでも都心部にかぎった話、金になる土地の話であって、ちょいと郊外に目を向けてみれば、たちまち山、川、森。牧歌的とは言わないまでものどかな田園風景が広がっている。

事実、土地も安い。辺鄙な場所ならタダみたいな値段で買える。Img_2066

今でこそ私はしがない翻訳人、いわゆるフリーランスとして幸いにも生計を立てられているが、誰でもいくつかの暗黒時代を経て今があるわけで、私もかつて上司がイラン人と元暴走族という怪しげな宅配弁当屋で住み込みで働いていたことがある。

そこで「寮」と呼ばれていたその住宅は棄てられた一軒家を買い取ったもので、庭では雑草がぐん伸び、風呂場ではナメクジがずるずる、台所では黒光りするヤツが這いかつ飛びまわり、家のなかには文字どおり「放し」飼いにされた犬の糞尿の臭いが満ち満ちていた。

Img_2072_2と、この「寮」の闇を掘り下げていったら切りがないので、これについてはまた改めて語りつくしたい。

とにかく。その「寮」でがるると唸っていたことも、しばらく職に就けず呆然としていたことも、家が火事になって命からがら逃げ出したこともある。

そういうわけで逆境にはわりかし強いほうだと思っている。

だから、仮に今、自分が独り身で仕事もなく途方に暮れているとしたら、おそらく、人里離れた山奥に安い土地を買ってそこにテントを設営、大根や人参を育ててはこれを食らい、近くの駅でギターを弾いておひねりを頂戴し、防寒対策には抱いたら暖かい羊かアルパカを飼い、金に困ったらその毛を刈って売ることで糊口を凌ぐ、なんて暮らしに踏み込んでいたかもしれない。

江戸川の河川敷にテントを張っても暮らしていける自信はあるが、そうするImg_2073くらいなら、私はアコム、プロミスしてでも100万くらい工面し、上述のように山に隠遁するほうを選ぶ。

なんとなれば、そっちのほうが発展性(金脈を掘り当てる、近くに温泉が湧き出て地代が高騰するなど)があるし、親類縁者の皆々さまにも「や、ホームレスをやってるのではなく、自然に還ろう! というテーマのもとエコロジカルな暮らしをみずから体現しているのでありまして」などなど言い訳をつけ、体裁を取り繕うことも可能だ。

もっとも現状では家族も猫もいるし幸せなので、そんな酔狂に及ぶつもりは毛頭ないが。

Img_2080ただ、そのアイデアは潰しがきく。

つまり、私はしがないながらもフリーランスであり、一般の勤め人に比べたら渡世のしがらみが少なく、たとえば、明日にでもラップトップを抱えて単身渡米、各地を放浪しながらインターネットを介して働くなんて無謀もやってやれないことはない。

それは極論だとしても、その伝でいけば、なにも都会に拘泥する必要はまったくなく、いきおい家人と猫たちを連れて田舎に引っ越し、そこで質素に、素朴に、のんびりと暮らすのも良きことかな、と思い至ったのである。

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猫ランドへの道、序章

Img_2062_2猫ランドを作りたい。

 ひからびた時間に夢という水をまき

 なんとかほんとうの出口をさがし歩く

なんてシオンは歌ったが、人は夢を抱かないと生きてはゆけぬ。

が、夢といっても、小指一本で世界を征服してやるとか、どの街角にも自分の等身大の銅像を建立してやるとか、全国の「セブンイレブン」の店名を「セブンイレブンな~んちゃって実はイレブンセブン」に改めさせてやるとか、そういった壮大かつ大胆なものである必然性はいっさいこれなく、むしろ「生きていく糧となるもの」であって、言い換えれば「ささやかなる希望」である。Img_2038

だが、昨今のトキオにおいては、こうした夢ですら狂ったような雑踏のなかで揉みくちゃにされ、擦り減って一寸の欠片となり果て大手町地下鉄連絡通路の片隅にひっそりと転がっているのであり、一部の金持ちしか買うことのできない特製ゴーグルを装着しないかぎりそれを見つけることはできない。

「ニート」なんてことばが紙面に踊るようになってから久しいが、彼らとて好きでそうした境涯に甘んじているわけではなく、やはり、トキオは暮らすだけでも冗談みたいな金がかかるし、少ない稼ぎから容赦なく公租公課を取り立てられるため、途方に暮れながら日々を過ごしているのであろう。

Img_2011資本主義がしょせん現ナマという有限のチップを使ったマネーゲームである以上、そこには勝者と敗者が存在し、貧富の差が生まれるのは必定である。

問題はそのあとで、本来、ぼろ儲けした勝者がその金子を社会にそーれと還元することでシステムが機能し、衰えた景気も持ち直すわけだが、現在はこの勝者が金を貯め込んで手放そうとしない。某小室氏なんかは海外でどんぶり勘定の投資を行い自爆しているわけで、国内に流れるべきマネーが海を越えて流れてしまったら、良民はこれにあやかることができない。

ないところから金は取れぬ。されば、あるところから取るしかない。

が、国の舵取りたる官僚たちは邦家の将来を憂うような発言をしつつ、裏では上述の勝者たちと寿司をつまんで談笑し、わずか壱萬弐千円のわいろでもってお茶を濁そうとしているのであり、これはもう紛うことなき外道Img_2027_2である。

いつの世でも、社会的弱者である若者が搾取されやすい立場にあることは変わらない。

だからこそ、彼らのわだかまった鬱憤のはけ口として竹の子族やらパンクロックやら学生運動やらの各種ムーブメントが発現するわけだが、それとてささやかなる夢が路傍にごろごろ転がっていればこそで、バブルがはじけ社会の高齢化が進み未曾有の金融危機が叫ばれる昨今において、そうしたエネルギーはやはり内へ向かうのしかなく、引き籠らざるをえないのかもしれぬ。

もはやトキオは、これがファミコンなら、リセットボタンを押さねば二進も三進もいかないような状態にある。

いざ、地方へ。

猫ランドへの道、第一章へ続く……

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