お菓子の国のつぶ王子

2010年11月30日 (火)

お菓子の国のつぶ王子・第8章

_7028395つぶ王子がかわらでぼんやり“廃人ごっこ”にきょうじていると、りずみかるな音が近づいてきました。

肩にかついだらじかせ(ちなみにドデカホーン)、じゃーじがきほんのだぶだぶファッション、みみには牛のはなわを3つつなげたようなピアス。

だれあろう、お菓子の国の王、つうしょう“ブラザー・きのこ”です。

「よう、つぶ。はわーゆ? アッ、アッ、いぇー」

「ええっと、ふぁ、ふぁいん、さんきゅー」つぶ王子はちょっと舌をかみながら答えました。Img_0193_r

「ぐっ。べりーぐっ。すまーと、べりーすまーときゃっと、あんちゃ? アッ、アッ、あんちゃ? hehehe。ばっと、のーもあうぉー、さっど、べりーさっど。なう、りすん」

そう言うと、ブラザー・きのこははげしく体をゆさぶりはじめました。

「アッ、アッ、いぇー、いぇー♪」

その時、ぐうぜん近くをとおりかかったオカシーナ女王は、おもわず顔をふせると、なにもみなかったことにして、城のほうへ走りさっていきました。

そんなことはまるでいにかいさず、ブラザー・きのこの“らっぷ”がはじまりました。

Img_0190_r 「キミはいつでもいじをはる、ケド、おれのココロはグローバル、アッ、アッ♪

ちっぽけなおれ、アッ、でっかいうちゅう、ひとつはふたつ、ふたつはひとつ、yo yo♪

つながれココロ、つながるつながれつながれば、いぇー、それがココロのさんだんかつよう、アッ、アッ、いぇー♪ きゅきゅきゅきゅ♪」

さいしょは冷めきった目でみていたつぶ王子ですが、どうしたことか、気がつくと、じぶんもからだをゆさぶっているではありませんか。とめようと思ってもとまりません。からだが勝手にうごいてしまうのです。

それを見て、ブラザー・きのこはやさしく微笑みかけました。Img_0182_r

「いぇー、ざっつらいっ。ざっつぱわーおぶみゅーじっく、ゆの? ゆの?」

いこくごのわからないつぶ王子は困惑したひょうじょうをうかべました。

「エット、ツマリソノ… ココロとココロ、ワカル?」ブラザー・きのこがたどたどしい猫語でいいました。

「えっ、猫語が分かるの、ブラザー・きのこ?」つぶ王子はリアルに驚きました。

「スコシダケ、ネ。ベンキョウ、シテル。ダッテ、Img_0173_rコマルヨ。オウサマ、タミのコトバ、ワカラナイ。ソレ、コマルヨ。ホント、コマルヨ。コマルヨー。ソレ、ダメネ。ゼッタイ、ダメ。のーもあどらっぐ」

一国のあるじたるブラザー・きのこが、ふなれな猫語で必死にこみゅにけーしょんをはかる姿に、つぶ王子はこころをうたれました。

「ココロとココロ… ツナガッタ?」ブラザー・きのこがはにかんで言いました。

「うん、つながった!」つぶ王子はにっこり答えると、心のメモ帳に書き込みました。

「つながるココロ、のーもあどらっぐ……」

ふたりの“らっぷ”はつぎのひのあさまで続きました。

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2010年11月24日 (水)

お菓子の国のつぶ王子・第7章

_7049498おかしの国は今日もへいわです。

つぶ王子はしもべたちと一緒に、さいきん国ではやりの“はりいぽったあ”ごっこに、ひろぽんちゅうどくかんじゃよろしく口をだらしなく半びらきにしながら興じています。

そこへ、おか将軍がやってきました。

おか将軍はオカシーナ女王につかえるしんえいたい、通称“OKATZ(オカッツ)”のりーだーで、鉄のもうしょうとして知られていますが、しゅみが“ほしのすなあつめ”という乙女ちっくな一面がヤンママ層にバカ受け。もっとも、ぶかのまえでは「女なんかめいわくだ」と硬派ぶっておきながら、がくせいじだいの友人とのむときには一転、「おれって女にもてもてでさー、将軍、やめらんねえ、おまえもやれば? ムリ か、ガハハ」と、じまんばなしをはじめるというくっせつした人格のもちぬしです。Img_0117_r

そのおか将軍がいいました。

「つぶ王子。“はりいぽったあ”ごっこなぞ、おやめなさい」

「どうしてなの、おか将軍。“はりいぽったあ”はみんなのアイドルなのに?」と、つぶ王子はけげんな顔で言いました。

「ふっ、しょうし」おか将軍がはなで笑いました。

「それは昔の話さ、つぶ王子。たしかに昔のはりいはかわいらしかった。だがね、いまはもうはたちを過ぎたおっさんだ。“はりいぽったあ”どころか、“ぽったあ係長”だよ。かかりちょう、分かる? ニンゲンの役職のひとつだ。あんなの“ぽったあエロ係長”さ」

Img_0120_r 「ぽったあエロ係長……」つぶ王子はなんとなく悲しくなりました。

おか将軍がちょうしに乗ってつづけました。

「だいたいだね、“はりいぽったあ”シリーズはこんかいでかんけつして良かったと思ってるよ。いちぶではかんけつを惜しむ声もあるようだが、それはふぁんの勝手なようぼうというやつでね、このまま続けてごらんなさい。10年、20年後にはどうなると思う? “はりいぽったあと賢者の尿道結石”、“はりいぽったあと7人のみずこ”、“はりいぽったあとだんちづま、まひるのはれんち魔法だいがっせん”みたいなことになるぞ。そんな“はりぽ”をつぶ王子は観たいのかい? え? 観たいのかい? 私は観たくないね。嗚呼観たくない。はりいのなかの少年はもうしんでるんだ。えいえんの少年なんてげんそうさ。それは私がよく分かってる。えいえんなんてこの世にはない、えいえんなImg_0112_r んてウソっぱちだ、バカやろー、ふざけんなこのたこいかまぐろうにどじょう××××××××やろうがあああああっ!!!」

ふだんはれいげんなおか将軍のみせた黒い顔に、つぶ王子は一瞬ひるみながらも心のびぼうろくに書き込みました。

「はりいのなかの少年はもうしんだ……」

つぶ王子、2歳のふゆのひとまくでした。

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2010年11月23日 (火)

お菓子の国のつぶ王子・第6章

_8280546、向こうからぼうずあたまのだんせいが近づいてきました。

肩にらじかせを抱えながら、りずむにあわせて体をさゆうに揺さぶっています。ただものではありません。

「Yo、ねこちゃん、Yo」

「わらわの夫にして“猫の国”の王、ぶらざーきのこじゃ」

オカシーナ女王がさめきった声でしょうかいしました。

「いぇーざっつらいと。hehe、Yo-yo、アッ、アッ」ぶらざーきのこ(きのこ王)がそうるを込めてノリノリでいいました。

「ぶらざーきのこ(きのこ王)はがいこく暮らしが長くてのう……ハァ、なん_8280565ばんのことばしかしゃべれんのじゃ。案ずるな、わらわがちゃんとつうやくするぞえ。オホホホホ」

「へい、つぶ。はわーゆ?」

「よう、つぶ。チョーシどう? と言っておる」

「ゆーあさっちあぐれーときゃっと」

「おまえってちょーイカすぜ、と言っておる」

_8290706「あいろーとあそんぐふぉゆー。なうりすん」

ぶらざーきのこ(きのこ王)はらじかせのぼりゅーむをぜんかいにすると、りずみかるに歌いはじめました。

「♪チョットツブチャンナニシテル、yo、♪オレハアンタヲアイシテル、yo-yo」

オカシーナ女王は思わず顔をふせました。

「♪オレハツブチャンウェルカム、yo-yo、♪オマエノシッポハツイン_8290693カム、ah-ah、♪ココハイイトコネコノクニ、yo、アッ、アッ、♪ファ×××ンネコチャン、ワン、ツー、スリー、イェー、イェー♪、マザファカ」

“シガナイホンヤクシャ”と“ダイリ”さんもぽかんと口をあけて立ちつくしています。

ひととおり歌いおえると、ぶらざーきのこがつぶ王子に向かっていいました。

「yo、つぶ、yo。なすてぃ。ゆーあそーなすてぃ。あんちゃ? あんちゃ? _7049486 ふぁにー、ふぁ×××きんふぁにー、いずんに? いずんに? hehehe、yo、つぶ、yo-yo♪、アッ、アッ、♪ネコチャンyo-yo」

はじめて耳にするなんばんのことばに、つぶ王子のまるい目がいつもいじょうにまんまるくなっています。

“こくさいかのなみ”。

つぶ王子は心のメモ帳にそっとかきこみました。

続く……

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2010年7月27日 (火)

お菓子の国のつぶ王子・第五章

_7049508あざやかなグリーンのとびらの向こうには信じがたいこうけいがひろがっていました。

大空を駆けるきゃっとうぉーく。

おひさまにもっとも近いきゃっとだくと。

肉球のもようがついたお昼寝はうす。

それはまさに、執事のけろさんが話してくれた“猫の国”でした。_7049516

夢にまで見た“猫の国”が、猫爪を伸ばせばとどくところにあるのです。

つぶ王子はむねから喜びがあふれだしそうでした。

「おあがりになられよ、オホホ」

そのことばに、さっきまでげびたたいどに終始していた“シガナイホンヤクシャ”と“ダイリ”さんは靴をぽーんとぬぎ_8300708すて、わがものがおでずんずん奥へと進んでいきます。いなかの実家にでも帰ったつもりなのでしょうか。

オカシーナ女王がちっと舌打ちをしながら言いました。

「“ダイリ”どの。なんなりとお納めになられよ。オホ」

“ダイリ”さんの顔がぱっと明るくなりました。そのしせんのさきにはごうかけんらんな宝箱がちんざしています。“ダイリ”さんはばくはつすんぜんの笑顔で宝箱に歩みよると、ぱんぱかぱーんと自分で言いながらふたを_8290662開けました。

なかにはなんと、あふれんばかりのそうざいパンが。

「!!! こーんにつな、ぴざもあるわ。べーこんも。ぴざ、こーん、つな、ぴざ、こーん、こーん、こーん、こーん、つな、こーん、こーん……ざっとみて3しゅうかんぶん」

「まだあるぞえ、オホホ」

オカシーナ女王がてもとの紐をひきました。

_8280586するとどうでしょう。

天井がぱかっと開いて、そうざいパンがぼとぼとと落っこちてくるではありませんか。

そうざいパンのしゅうちゅう豪雨――

“ダイリ”さんはかんるいにむせびつつぽけっとからでんたくをとりだすと、そうざいパンが何日くらい持つのかオカシーナ女王に見えないようにちゃっかり計算したのち、“しP8280624てやったり”という顔でいやらしく笑ったあげく、小さくがっつぽーずをきめました。

“シガナイホンヤクシャ”はおれにはなにもないのかよと言いたげにくちをとんがらせています。

つぶ王子はちょっぴり哀れにおもいました。

続く……

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あ、シナモンめっけ!

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2010年7月26日 (月)

お菓子の国のつぶ王子・第四章

<とうじょうじんぶつ>

オカシーナ女王…お菓子の国をすべるけだかき女王さま。くちぐせは「オホホ」。ごびに「オホホ」をつけたほうがきひんが二割増すとおもっている。いがいとホラー好き。

************************************

R0013989_2そうこうしているうちに、“びっつ”号がききいっとびんぼうくさい音をたてて止まりました。

さっきまで傍迷惑なおおごえでうたっていた“シガナイホンヤクシャ”もきゅうに押しだまり、どこかおちつかなさげに鼻をちーんとかんでいます。

いつくしむようにそうざいパンをつまんでいた“ダイリ”さんも、そそくさとそうざいパンをぷらすちっくの袋に戻すと、ひとめを気にしながらぐらぶぼっくすにしまいこみました。

「これでぬすまれないわ」

“ダイリ”さんがつぶやきました。「あのパン、まだ9ぶんの7のこってるもの。たっぷり、まいなす2円」

つぶ王子はきゃりーばっぐから首をのばして、ふあんなR0013993目でそとのようすをうかがいました。

――ここが……猫の国?

“シガナイホンヤクシャ”と“ダイリ”さんがふうふう言いながら“びっつ”号をおりました。もちろん、きゃりーばっぐのなかのつぶ王子もいっしょです。

“チュウシャジョウ”の向こうからだれかが近づいてきました。おちついたあしどりで、どこかいっぱんぴーぷるとはちがう気品をただよわせています。

_6218100の人に気づくと、“シガナイホンヤクシャ”はいかにも卑屈っぽくさるのように腰をかがめて手を揉み合わせながらあゆみよっていきます。

「オホホ、よくぞまいったのう、オホホ、オホホ」

おんなの人がわざとらしく言いました。

「わらわはオカシーナ・オカシ・オカシクッテ・オカシカッテ・モ・ボン・ト・ショーガ・ツ・イソガシーノ10世じゃ。ながいなまえじゃろう、オホホホ。わらわもた_6208073まに舌をかんで血まみれになってしまうことがあるほどじゃよ……と、これはご愛嬌じゃ、なーんちゃっておじさん。オホホ、オホホ。つぶ王子のとうちゃくを首をひょろながくして待っていたぞよ、オホホ」

オホホをれんぱつするなぞのじょせいが自己紹介しているあいだも、“ダイリ”さんはぐらぶぼっくすのなかのそうざいパンが気になるのか、そっちのほうをチラ見しています。

_7049515「民はわらわのことをオカシーナ女王と呼ぶのじゃよ、オホホ」

オカシーナ女王。

その名前はつぶ王子も聞いたことがありました。

執事のけろさんがまえに話してくれたのです。

猫の国のくんしゅの名はオカシーナというのだと。

これはなにかのぐうぜんでしょうか。_5043129

「ぐうぜんではないぞよ、オホホ」

オカシーナ女王がつぶ王子のこころをみすかしたように言いました。

「わらわの国のじゅうにんはみな、猫たちなのじゃ。いかにも、わらわのおさめる国は“猫の国”なのじゃよ、オホホ、オホホ」

猫の国!

猫の国はじつざいしたんだ!

つぶ王子のつぶらな瞳がらんらんと輝きを放ちはじめました。

つづく…

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オホホ、オホホ、ぽちっ

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2010年7月17日 (土)

お菓子の国のつぶ王子・第三章

_7049509ぐるりと大きな輪をえがく橋を渡ってからも、“びっつ”はよどみないスピードで走りつづけています。橋のむこうはすぐ“猫の国”かと思いましたが、そうはとんやがおろさないようです。

“シガナイホンヤクシャ”はあいかわらず公害なみの大声で歌いつづけ、“ダイリ”さんは“ダイリ”さんで、そうざいパンに入っているこーんの数をひとつぶひとつぶたんねんに数えています。

「ふたつぶ。ふたつぶ少ない」“ダイリ”さんが夜勤明けのホテルマンのよう_7049520 に覇気のない声でつぶやきました。「2円そんした」

つぶ王子には“ダイリ”さんがそこまでこーんの数にしゅうちゃくする理由がわかりませんでしたが、そのききせまる表情に“ダイリ”さんの“こだわり”を感じました。

ぼくも“こだわり”のある大猫(おとねこ)になろう――つぶ王子は、心のメモ帳にそっと書きこみました。

_7028395たびが続くなか、つぶ王子はふと、執事のけろさんのことばを思いだしました。

「つぶ王子」

「なあに、けろさん」

「つぶ王子のつぶはつぶ貝のつぶじゃなくてつぶらな瞳のつぶでもなくて、このじゅーす、つぶつぶがいっぱいはいってておいしいね、らぶ」

「……」つぶ王子はこたえに窮しました。_7049498

「つぶつぶつぶつぶっつぶ~、つぶつぶつぶつぶつぶっつぶ~、つぶ、いぇい、つぶ、いぇい、つぶ、いぇいいぇい」

執事のけろさんはそう言って踊りだしました。つぶ王子はおいてけぼりを食らわされたような心境で、ぼうぜんと立ちつくしています。

けろさんがふっと我にかえっていいました。

_7049530「や、とりみだしてすまなかったね。最近、来客がおおくてろくに寝ていないものだから。忙しいのは喜ぶべきことだけど、約一匹、きちんと働いてくれない猫がいるのさ。まったく、あのかせいふの“ぱぴこ”ときたら… そりゃあ、定時いじょうに働けとは言わないよ。私だって鬼じゃない。けど、私がぼろぞうきんと化して働いているのを尻目にころして、“時間だからあがりますにゃ、かえってヨンさまのドラマみにゃきゃ”はないだろう。いいかげんにしろよ、ただめしぐらいが。猫でなし。おまえなんかわたしのいちぞんでクビにしてやれるんだぞ。ふぁ×××××××××がああっ!!!」

つぶ王子はおどろいて目をまるくしました。まさか、あの紳士的なけろさんが“きたないことば”をつかうなんて。

“すとれす”は優しい心を汚してしまう――つぶ王子はけろさんの愚痴を聞きながらしみじみと思いました。

つづく……

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けろさんの愚痴は朝までつづきました… ぽちっ

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2010年7月 7日 (水)

お菓子の国のつぶ王子・第二章

≪とうじょうじんぶつ≫

びっつ号…シガナイホンヤクシャのあいしゃ。いわゆるところのぽんこつ。ガソリンがちょっとにがて。

**********************************

_7049528ついにたびが始まりました。

たびの足はいつも“びっつ”号です。“びっつ”号はまほうのばしゃでもなんでもなく、“シガナイホンヤクシャ”が怪しいいんたーねっと直売業者からこうにゅうした、いわゆるところの“ぽんこつ”です。_7049531

見たことのない景色がまどのそとを流れていきます。

“シガナイホンヤクシャ”は、こんぱくとですくから発せられるけたたましい音楽に合わせて、声高らかにうたっています。本人的にはごまんえつでも、つぶ王子にしてみたら、そうぞうしくてかないません。

はっきりいってみみがくさりそうです。

“ダイリ”さんも、にがむしをかみつぶしたような顔で、そうざいパンをキレぎみにつまみまくっています。

_7049530_2ぶ王子は、心の備忘録をぱらりとめくって書きとめました――ほかのひとのめいわくを省みずにうたっている。こういうのを“じこまんぞく”というんだな――

そして、“シガナイホンヤクシャ”のような大猫(おとねこ)にはなるまいと胸に誓いました。

“ダイリ”さんが、「このそうざいパン、ぐが少ないわ」と力なくつぶやきました。 つぶ王子はちょっぴりどうじょうしました。

やがて、おおきな橋が見えてきました。

つぶ王子ははっ_7049511としました。

そういえば、執事のケロさんがこんなことをいってたっけ……

「つぶ王子」

「なあに、ケロさん」

「この世には“猫の国”というものがあるんだ」

「“猫の国”? ここはちがうの?」

「こ_7049523こはしがない“まんしょん”さ。“猫の国”には、大空を駆けるきゃっとうぉーくや、おひさまにもっとも近いきゃっとだくとや、肉球のもようがついたお昼寝はうすがあるそうだよ」

「素敵だね。その国はどこにあるの?」

「わたしもこの目で見たわけじゃないが、なんでも、ぐるりと大きな輪をえがく橋の向こうにあるらしい。猫族のだれもが夢見るでんせつの国さ」

でんせつの“猫の国”。

つぶ王子の視界にとびこ_7049504んできた橋は、まさしく、ぐるりと大きな輪をえがいていました。

ひょっとして、この向こうに“猫の国”があるのかもしれない――

つぶ王子は、ふあんがきたいへと変わっていくのを感じました。

続く……

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2010年7月 4日 (日)

お菓子の国のつぶ王子・第一章

≪とうじょうじんぶつ≫

つぶ王子…猫の国にまいおりたきゅうせいしゅ(メシア)。元ろじょうせいかつしゃ。

シガナイホンヤクシャ…つぶ王子の育ての親(ちち)。しゅみは公害れべるの歌唱によるかんきょうはかい。元さんぎょうすぱい。

ダイリ…つぶ王子の育ての親(はは)。そうざいパンに目がない。とくいわざは相手よりも一瞬はやくぶちきれること。

執事のケロさん…つぶ王子たちが暮らすしがない“まんしょん”の雑務をいってにひきうけるゆうのうな執事さん。ひそかにストレスをかかえている。

家政婦のパピコさん…すいみんダイエットに精をだすなまけものの家政婦さん。くちぐせは「やるときはやるわよ」

*************************************

_7049486つぶ王子は悩んでいました。

ほかの王子や王女たちはみんな、あたらしいおうちに次々と旅立っていくのに、じぶんだけはなぜか幸せにえんがありません。

じつは、まえにいちど、素敵なおうちが見つかりかけたのですが、しょはんのじじょうがあって戻ってきたことがあったのです。

このときばかりは、さすがのつぶ王子もへこみました。とくいの“つぶパンチ”もくり_7049516だせないほど、しんしんがすいじゃくしてしまい、とてもブルーになりました。

それでも、アメリカ人が大好きな“かうんせりんぐ”を受けることで、なんとか立ち直ることができました。いわゆる悲しいかこってやつです。

今日もいつもの“まんしょん”で執事のケロさんや家政婦のパピコさんとまったりしていると、つぶ王子は妙な殺気をかんじました。

とつぜん、“シガナイホンヤクシ_7049525ャ”が、茶色い布を持っておそいかかってきたのです!

こういうとき、普段なら、やさしい“ダイリ”さんがつぶ王子を助けてくれるのですが、今日にかぎってはなぜか“ダイリ”さんも、そうざいパンをつまみながら、ふくざつなひょうじょうでとりもの劇をぼうかんしています。

ふんふん言いながら猛然とせまってくる“シガナイホンヤクシャ”。

しかしながら、小さなつぶ王子にはわからないことですが、“シガナイホンヤクシャ_7049506”も、だんちょうのおもいでこうしたほかくを試みていたのです。

おとなのせかいのことばでいうと、“シガナイホンヤクシャ”は、“よごれやく”を甘んじて引き受けていたのです。つぶ王子にきらわれてでもほかくしなければならない理由が、“シガナイホンヤクシャ”にはありました。

“シガナイホンヤクシャ”もその顔は鬼のようでありながら、心のなかでは涙の雨がざんざんぶりでした。

ほんきモードの“シガナ_7049508イホンヤクシャ”は、ついにつぶ王子のにげみちをすべてふさぐと、茶色い布をぶわっと放り投げました。

茶色い布をかぶせられたつぶ王子は、どうすることもできず、かんねんしました。そして、きゃりーばっぐに入れられました。

ぼくはいったいどこへ連れていかれるんだろう――

つぶ王子の胸はふあんでいっぱいでした。

続く……

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つぶ王子のだいぼうけん、近日再開予定!

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